ノーマライゼーション

ノーマライゼーションとは

厚生白書(昭和56年版)

近年、障害者福祉の理念として注目を集めているのが、「ノーマライゼーション(normalization)」の考え方であり、今日では福祉に関する新しい理念全体を表す言葉として、世界的に用いられるようになってきている。この言葉は歴史的にみると、スカンジナビア諸国を発祥の地として、「常態化すること」すなわち、障害者をできる限り通常の人々と同様な生活をおくれるようにするという意味で使われ始めたとされている。ノーマライゼーションの思想運動がおこったのは、障害者に関して「常態」とはいえない状況がみられたからである。つまり、障害者に対する取組みの姿勢が必ずしもその人間性を十分尊重したものでないような状態に陥りがちであったことへの反省から、これをあるべき姿にもどそうとして、起こってきたものとされている。 [1]厚生白書(昭和56年版)

理学療法学事典

すべての人が同等に普通の生活を送れるように、障害者も健常者と分け隔てなく共に暮らし共に生きる社会こそ、ノーマルであるという考え方 [2]

と定められています。

公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会情報センター

社会で日々を過ごす一人の人間として、障害者の生活状態が、障害のない人の生活状態と同じであることは、障害者の権利である。障害者は、可能な限り同じ条件のもとに置かれるべきであり、そのような状況を実現するための生活条件の改善が必要である [3]

と記載されています。

[1] 厚生労働省 – 厚生白書(昭和56年版) – 序章 国際障害者年に当たって – 第3節 障害者福祉の理念: 3 ノーマライゼーションの思想

[2] 医学書院理学療法学事典

[3] 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会情報センター – ノーマライゼーション(normalization)

ノーマライゼーションの歴史

1950年代後半に、デンマークのN.E.バンクミケルセンは、知的障害者の入所施設の生活が極めて、非人間的な環境にあることを問題とし、知的障害者の生活条件を一般市民と同じにすべきであるという考え方を打ち出しました。つまり知的障害者は「あたりまえの」「普通の」生活を送る権利があり、その生活を支える社会を構築するということです。この考え方をノーマライゼーションといい、障害者福祉を支える理念となっています。また、今日では障害者福祉の理念にとどまらず、社会福祉の理念としてもこのノーマライゼーションの考え方そのものが浸透してきています [1]。

このようなノーマライゼーションの理念により、知的障害者の脱施設化と地域生活の実現という社会福祉政策の転換を迎えたこと、また、知的障害のある子やその親など当事者自身がノーマライゼーション推進に参画したことは注目すべきポイントであると思います。

[1] 内閣府 – 困難を有する子供・若者を支援する人材の養成について – ユースアドバイザー養成プログラム(改訂版)本編目次 – 第4章 第1節 関係分野の制度の概要,関係法規等(社会の仕組み)

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