Quality of Life (QOL)

QOLとは

QOL(Quality of Life)は「人生の質」とか「生活の質」などと日本語に訳されることが多いです。

WHOによる定義

WHOはQOLについて以下のように定義しています [1] 。

WHO defines Quality of Life as an individual’s perception of their position in life in the context of the culture and value systems in which they live and in relation to their goals, expectations, standards and concerns.

以下のように和訳されています。

一個人が生活する文化や価値観のなかで、目標や期待、基準、関心に関連した自分自身の人生の状況に対する認識

QOLと健康

WHOによる健康の定義 [2]は、

健康とは身体的、精神的、社会的に良好状態であり、単に疾病にかかっておらず、衰弱していない状態とい うことではない

です。この健康の定義とQOLの定義はほとんど一致しているとされています [2] [3]。

[1] WHO – Health statistics and information systems: WHOQOL: Measuring Quality of Life

[2] 公益社団法人日本WHO協会 – 健康の定義について

[3] 田崎美弥子、中根允文: 健康関連「生活の質」評価としてのWHOQOL. 行動計量学 25(2): 1998, 96-80

[4] 国立保健医療科学院 – 『保健医療科学』 第53巻 第3号 (2004年9月) – 総論:QOLの概念とQOL研究の重要性

QOLを構成する領域

QOLは個人の認識であり、概念であり、目に見えるものではありません。そのため、QOLが高いか低いかを評価するためには工夫が必要です。このような場合の工夫として、複数の下位概念を作り、それぞれについて質問し、評価することで、評価の見落としがないようにします。

SF-36

SF-36は世界中で最もよく使用されているQOL評価のひとつです。現在はバージョン2になっています。5段階もしくは3段階、36の設問から構成されます。この調査票では、以下の表のように8の領域によりQOLが構成されています [1]。

下位尺度名 得点の解釈
低い 高い
身体機能 入浴または着替えなどの活動を自力で行うことが,とてもむずかしい 激しい活動を含むあらゆるタイプの活動を行うことが可能である
日常役割機能(身体) 過去1ヵ月間に仕事やふだんの活動をした時に身体的な理由で問題があった 過去1ヵ月間に仕事やふだんの活動をした時に,身体的な理由で問題がなかった
体の痛み 過去1ヵ月間に非常に激しい体の痛みのためにいつもの仕事が非常にさまたげられた 過去1ヵ月間に体の痛みはぜんぜんなく,体の痛みのためにいつもの仕事がさまたげられることはぜんぜんなかった
全体的健康感 健康状態が良くなく,徐々に悪くなっていく 健康状態は非常に良い
活力 過去1ヵ月間,いつでも疲れを感じ,疲れはてていた 過去1ヵ月間,いつでも活力にあふれていた
社会生活機能 過去1ヵ月間に家族,友人,近所の人,その他の仲間とのふだんのつきあいが,身体的あるいは心理的な理由で非常にさまたげられた 過去1ヵ月間に家族,友人,近所の人,その他の仲間とのふだんのつきあいが,身体的あるいは心理的は理由でさまたげられることはぜんぜんなかった
日常役割機能(精神) 過去1ヵ月間,仕事やふだんの活動をした時に心理的な理由で問題があった 過去1ヵ月間,仕事やふだんの活動をした時に心理的な理由で問題がなかった
心の健康 過去1ヵ月間,いつも神経質でゆううつな気分であった 過去1ヵ月間,おちついていて,楽しく,おだやかな気分であった
[3] iHope International – SF-36®

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